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鰻(ウナギ)

更新日:2022年6月17日


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「土用の丑の日の鰻」は平賀源内が鰻屋に頼まれて作ったキャッチコピーで、特別に夏バテに良いわけではなく、天然鰻がうまいのは秋から初冬だそうだ。

養殖はシラスウナギを初春に取り、それをハウスで6ヶ月から1年半養殖し1匹200g~300gに育てるのでうまさは季節には関係ないともいえる。

品質を決めるのは、飼料の良し悪しと水温や水質といわれている。

浜名湖の養殖が有名であるが、その後 岐阜県や津市などでも盛んとなったが 現在は愛知県(一色)、鹿児島県、宮崎県がトップ3である。

余談だが、浜名湖は、スッポンの養殖場に変わっている。

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ウナギの血液は、有毒であり刺身で食するには血抜きが必要である。

加熱をすれば、毒性を失うので通常の料理方法なら問題はない。

皮に臭みがあり、籠に入れたウナギに井戸水や、清流の水を流して

いるのを見たことがあると思うが1~2日真水で臭み抜きをする。

この水を売りにしているのが冨士の伏流水使用の沼津市の鰻屋である。

甘辛いタレを付けて焼く かば焼きが一般的である。

関東では背開きにして頭を落とし、素焼きした後に蒸しを入れ、その後タレをまぶして本焼きとする。ふっくらとした柔らかな食感で 甘めの味と焼き色は上品である。

関西では、頭付(半助)、腹開きで蒸さずにじっくり地焼きにする。

九州では背開きで蒸さずに深めに焼く。共に、カリッとした皮の香ばしさとふっくらと

した身のハーモニーが良く 少し濃い目の タレが 皮と身の味を融合している。

では、関東風と関西風の境目はどこか、豊橋、豊川であり両方の調理方法の店が

混在しているのを食べ歩き 確認をした。

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串打ち3年 裂き8年 焼き一生といわれ技術に裏打ちされた老舗の料理は値段も張るがファーストフードのうな丼とは異なるものである。

よく「江戸時代から継ぎ足し継ぎ足してきた秘伝のタレ」というが、

タレを半分ずつ10回継ぎ足すと元のたれは、0.1%しか残っていない。

タレの作り方(調味料や焼いた鰻の骨や油など色んな配合のレシピ)

において、その店の伝統を守っていくことの重要性をいっているのである。

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白焼きは、下焼きの後に一度蒸し、その後もう一度焼き上げる。

ワサビ、大根おろし、ショウガ醤油などを付けて食す。

肝焼き、う巻きなどと共に、日本酒のあてによく合う。

本来、うな丼はご飯にかば焼きをのせ 店で食すためにできたもので、

うな重は、テイクアウト用に保温を目的にしたものである。

しかし、現在どちらも店で出している。違いは、器だけでなく 実は、鰻の量の差かもしれない。

錦三の「いば昇」のうな丼は、ご飯の間に数切れの鰻が隠してある。

関西風の硬さを蒸す目的であるが、食する時おまけがでてきた様なうれしい気分にもなる。

因みに、丼(どん)と言う字は、井戸に物を投げ込んだ擬音に由来するともいわれ 

井の真ん中の点が面白い。

名古屋飯の代表格「ひつまぶし」は、明治時代に熱田の「蓬莱軒」発祥とも

津市が発祥ともいわれている。

ネギ、ワサビ、海苔などの薬味で食し、出汁でのお茶漬けで食すなど、色々な味が楽しめる。サッパリ食すことができ結構の量もいける。

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ほか、名古屋の有名店としては、白金の「うな富士」(最近火事に遭う)

塩釜口の「まるや本店」焼きの煙と匂いの強い東区「鰻 木屋」 

ガスビルの「しら河」森下の炭火焼「清月」と 鰻釜飯の元祖「川長」 千種の「名古屋なまずや」大須の「うなぎのやっこ」とさなげの尾頭付き一本焼きの「うな武」などそれぞれの味である。少し関東風で軟らかく甘めの池下の「うなぎの新甫」丁寧な作りのひつまぶしの 大須「光玉」(最近閉店になったようだ)等仕事の合間に食べ歩きをしてきた。当時は、高くても2000円台で食すことができた。

近年は、上社の「うな昇」が気に入っている。「いば昇」の硬めのシャリより

私には、この店のシャリの方がうまい。

太平洋マリアナ海領の深海で孵化した二ホンウナギの仔魚が

マリンスノーを餌とし その後、黒潮海流にのり春先に はるばる日本の岸辺にたどり着く。

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河川をのぼり特に汽水域を好み 数年かけて成魚となる。最近、シラスウナギの捕獲量が

めっきり減り、絶滅危惧種にも認定され、1Kgが うなぎ上りに200万円もの高値で取引されている。(今年は少しマシだが。)

中国からは、ヨーロッパウナギの養殖ものや、種類の違う「大ウナギ」などもスーパーで

売られるようになった。

既に水産総合研究センターで完全養殖は成功している。が、まだ、コストが掛かり過ぎ実用化には至っていない。昼食の3,500~5,000円はさすがに高い。


早く完全養殖の実用化が成功する様 祈りながら 鰻屋の前を 今日もまた 通過をした。 


 
 
 

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