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見ざる言わざる聞かざる


「猿も木から落ちる」「猿蟹合戦」「猿芝居」「猿知恵」「猿真似」「犬猿の仲」など、

どちらかと いえば余り「面白くない諺(ことわざ)や、たとえ」として扱われ、「さる、さる・・・。」と からかわれた経験は、同じ干支の人には少なからずあると思う。

 援護すれば、「猿の語源」は獣の中では、一番知恵が勝る(まさる)ことから付けられたという 説が有力であり、勿論12支の中でも言えることで、それの「妬(ねた)み」からかもしれない。

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 猿といえば、日光東照宮の猿の浮彫像が有名である。 赤ん坊期から妊娠期までの

8面のストーリーで成り立っ ている。

一番有名なのが、幼児期の「見ざる言わざる 聞かざる」の三猿のレリーフ像である。

そのいわれは、「物心のつく幼少期には、悪いこと を見たり、、言ったり、聞いたりしないで、良いもの だけを受け入れ、素直な心のまま成長せよという教え」なのだそうだ。この幼児期の教えに異議 を唱える人は多くいるが、それは別として、今の私の年齢の立場で考えてみた。

 「見る」とは、「現在を隅々までよく観察」し、「残り短い?将来を見る」「見えないものを見る」 つまり推察することである。自分のためではなく孫のために、見たくないものでも、三猿像の様に 目を押さえてはだめだ。視力はなくとも、しっかり見るのだ。

交通事故にもならないようにね!

 「聞く」は、「過去の多くの出来事を聞く」又「多くの大切な他人様の考えをよく聞く」「知識や教 えの話をもっともっと聞く」等、高齢者は若者より得意な分野だ。

ただし「将来のことを聞く」 ことは選挙公約のカラ手形や、詐欺や空耳もあり気を付けなければならない。単に「聞かない方が 良かった」場合もある。「雑音は聞こえる」で「音楽や自然の良い音の場合は聴く」である。 つまり、耳は、押さえたり、そば立てたりその都度の調整が必要となる。難聴でもいいが、 勝手難聴者と称したり、聞く耳を持たない頑固爺にだけはならないように。良い聞き手になろう。

 「言う」は自己主張である。「見る」と「聞く」は自分への影響だけで調整が効くが、「言う」は 喋ったお相手の、大事な他人様に、影響を与える。従って、特に高齢者には、難しいのがこれであ る。過去の自慢話は御法度!「喋っていいか、悪いか、一呼吸置くことも大事」。「言わない」のも ひとつの自己主張の表現であるが、もう一つ「目は口程に物を言う」これも考慮する必要がある。

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ところで15年前の甲申(還暦)の年、木目込みの「三猿像」の贈り物を頂き、玄関に飾っている。

「見ざる」「聞かざる」は通常の形であるが、 「言わざる」の手が口には行ってない。 「俗説の四ざる」の「せざる」の手の位置 でもない。

 腕を組んで、少し目が上を向い て何か考えているように見える。

 送り主は、私の性格をよく知っているようだ。

        「あなたのお喋べりを止める事は出来ない。よ~く考えて喋れよ!」と。

 
 
 

1件のコメント


ekookuda
ekookuda
2021年10月23日

猿についてのお話はとても興味深いです。我が家は息子がサル、娘がイヌ年です。学校もそれぞれ早稲田と慶応で対立しています。話が飛びましてすみません。昨今寒くなってきましたが どうぞお体に気を付けて。 

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