生活習慣の病(やまい)
- 加藤 誓(ちかい)

- 2021年6月9日
- 読了時間: 2分
更新日:2022年6月18日
「今日は、貴方の推定通り7.3だった。次の診察の時は、いくつかね?」

「うーん、6,9いや、自信ないから7.1にします。」
「分かった、書いておいたから。」
糖尿病の指標のHbA1c(ヘモグロビンAワンC)の値だ。
私は、生活態度や食事状況で6週間毎の検査値が予測できるのだ。
数値が良さそうな時は「今日は6.8!」と自慢げに予測値を言う。
数値が悪そうな時は「酒を飲む機会が増えて」と 前置きし7.5と予測値を言う。
これがピッタリ当たると「やはり、酒の所為か。仕方がない。」と主治医に言われる前に納得気に頷く。
「日本酒ビールは糖分があって悪く焼酎やウイスキーは良いというが、先生、酒の量ですよ。量!」
これでは生活指導もできず「困った患者だ!」と思うのが普通だが、10年の長期間で培われた人間関係で主治医は
「また言い訳をして!」とニコニコ聞いてくれるのだ。

親父は、80歳の時に脳梗塞で亡くなった。お腹がでっぷりと出て日本酒をいつも飲んでいた。恐らく糖尿病であったと思うが、昔なので健康診断もせず痛くもない病だけに本人は健康と油断していたと思う。
現在は、糖尿病の診断技術は勿論、治療法や治療薬も随分進歩してきた。しかし、基本は、生活習慣の病である。
良くなって治ってしまう訳ではなく、良い状態をどれだけ続けられるかである。
家では、なるべく糖分の摂取を控えるのだが、 料理を作る女房からすると、これがなかなか大変なのだ。朝食の「卵かけごはん」夏の「ソーメンやそば、うどん」女房も好きな「カレーライスやスパゲッティ」これらは美味しく、手間の掛からないものであるが ダメなのである。面倒な 所謂「おかず」を数多く作らなければならないのだ。

コロナ禍で、家で食する機会が多くなった。
「今日の料理は美味い!」と女房に胡麻をすり、
テレビをみながらお酒を少しずつ嗜む。
暇なので量がだんだんとすすむのだ。
今度もHbA1cの値は悪く、また言い訳をすることになりそうだ。



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