残暑厳しき朝

明るくなり始めた朝5時、マンション周りの植木の水やりを始 めた。
一時の猛暑から朝は少し涼しくなったとはいえ、日中の気温 は34度の日が続き「サツキ」もへばってしまうため、3日に1回、 約2時間かけて散水をしている。
マンションの周りには5個の散水栓があり、そこから長い ホースをつなぎ散水するのである。 蚊がいるので、長袖の作業着に作業ズボン、軍手、黒い帽子、正に管理人の姿である。
6時近くになると、散歩の人やジョギングの人が現れる。
40代半ばの男性。ジョギングシューズと短パンそしてシャツにも蛍光の反射材。白いワ イヤレスイヤホンをし、白いキャップ姿でさっそうと駆け抜けていく。
30代と思われる女性。黒い日除け帽子で顔全体を真っ黒な布で覆い、シャツもスパッ ツもシューズも黒づくめ。姿はまるで忍者のようであるが、走りはそれ程ではない。こちら も、無言で通過して行った。
暫くすると80代の女性3名組がおしゃべりをしながら、やってきた。作業着の私に「お勤 めご苦労様です。」と言って、またおしゃべりをしながら去っていった。
向い側からご高齢の 男性が現れ、女性3名組と合流し輪が出来た。他の男女も輪に加わり朝のおしゃべり会が 始まった。いつも同じ時間に同じ場所で、同じメンバーのようである。
初老の男性が、短毛の小型犬を連れてやってきた。水やりの時に何回かお見かけした 方で、「まだ、暑いですね!お疲れ様です。」と声を掛けてくれた。水をワンちゃんの前で出 すとぺろぺろとおいしそうに飲んでくれた。
その向こうから、やはり小型犬を連れた40代の女性がやってきて、初老の男性に近づ きハイタッチ。小型犬同士もうれしそうに、しっぽをふりふり、円を描くようにじゃれあう。 これも毎回、同じ情景なんだろうなと想像する。
蝉も鳴かなくなり、川面には色んなトンボが飛び交い、少しは季節が移っているようで はあるが、7時近くなると、身体中から汗が噴き出してくる。帽子もびしょビショになる。
水やりを終えて部屋に戻る。まずは、シャワー。ガスを付けなくても温水のような水が出 る。作業着や下着、手袋など洗濯機に入れ回す。着替えを済ませ、クーラーをかける。 新聞を広げて隅々まで読む。相変わらず、戦争と中日の連敗記事である。
そして、かき氷をつくり、食べて涼んだら、ゴミ出しに行く。
ついでに、植田川に何かいな いかとカメラを持って出た。

珍しいものを発見した。ヌートリアである。以前は町田橋上流 に巣があったが、浚渫工事が行われ巣は壊されたはず。どこか に移ったに違いないと思っていたが、何と、マンション横の岸に 現れたのである。シャッターチャンスが少し遅かったが何とか 撮れた。
部屋に戻り、冷蔵庫にあるスイカと昨晩遅く女房が刻んだ キャベツの千切りを食べた。 そして、毎朝の定番のベーコンエッグをつくりこれも食べた。
8時になった。まだ、女房は自分の部屋から現れない。
女房は夜型人間なのである。




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