セミが静かな牧野ヶ池散策
- 加藤 誓(ちかい)

- 7月19日
- 読了時間: 3分

前回の明徳公園散策会の後、35度を超え熱中症アラートが発令される猛暑が2週間続いた。
例年は、家の辺りでも6月末から鳴き始めるセミが、今年は10日程遅く、しかも、誠に静かなのである。
7月14日(月)は台風5号などの影響で、静岡、岐阜が豪雨、竜巻発生となり、テレビでは、東京、横浜のゲリラ豪雨でマンホールの蓋が飛び上がる画像が繰り返えされていた。
1週間、戻り梅雨との予報であったが、15日(火)は朝、雨も上がり涼しい日であった。
そこで、19日(土)の「名東区自然散策会牧野ヶ池緑地」の下見に出掛けることにした。
緑地でもセミは鳴いてはいたが、何となく弱々しい鳴き声であった。
牧野ヶ池は池底の泥の浚渫工事で、暫く干上がっていたが、昨日雨のこともあり、水が満杯であった。
先ずは、昆虫から、紹介する。紫色の「チョウトンボ」と、おしりに特徴ある「ウチワヤンマ」が止まっているのを撮影出来たのは、幸運であった。羽が少し傷んだ「イチモンジチョウ」も撮影した。
濡れ落ち葉を這う変わった形のヒルを見つけた。調べたら「コウガイビル」で分類ではプラナリアに近く、ヒルではないことやテトロドトキシン(ふぐ毒)を持っている種もあるとのことを知った。
ぬかるんだ池の周りには、「ヌマトラノオ」が群生していた。湿地帯には、「ガマ」の穂と「ハス」が生えていた。いつもならハスは花を咲かせているが、今年は咲いていなかった。
昨年池が干上がった状態の時、準絶滅危惧種「ガガブタ」の存続を心配していたが、今年、以前の様に水面広くに可愛い白い花が咲き乱れているのを見て一安心をした。
厄介者扱いされる「スイレン」も適当に除去された状態で咲いていた。
次は、樹木を記す。この時期、一番目立つのは、サンゴの様に艶やかな実を付けている「サンゴジュ」である。「ユリノキ」は5月に百合のような花を咲かせる樹木であるが、実が付いているのを見つけた。冬に白い殻の実をつける「ナンキンハゼ」の花序が出来始めていた。
「アカメガシワ」や「トウネズミモチ」の花も、実になる手前になってきた。
若い実の木を紹介する。秋には赤い実で、熟すと紫黒色になる「イソノキ」、11月頃熟す「イヌビワ」の実、冬には赤い実となる「クロガネモチ」の実と「ソヨゴ」の実、ドングリである「シラカシ」と「スタジイ」の実。「モミジバフウ」も緑色のトゲトゲの実を付けていた。「フジ」棚には花が終わり若い大きな豆がぶら下がっていた。
昨年見つけた「ビワ」の若い木が虫にやられていた。調べたら、モンクロシャチホコという虫の可能性が高いとのことであった。
草では、ナスの花に似ているが、トゲが鋭いその名も「ワルナスビ」が群生していた。
また、「ヨウシュヤマゴボウ」の赤い枝に咲く花や、「ヤブガラシ」の特徴ある扁平な花序を見つけた。日陰でひっそりと「ミズヒキ」が可憐な花を咲かせていた。
今咲いている花らしい花は「ムクゲ」と「クチナシ」である。
5日間続いた雨も上がり、いよいよこれから盛夏となる7月19日(土)「令和7年度第2回名東区自然散策会・牧野ヶ池」が開催された。
今日も辺りのセミの鳴き声は静かであった。
夏休みとなったこともあり、小学生が12名虫取り網と虫かごを持って参加。
スタッフ10名と大人参加者20名総勢42名であった。
スタッフの方が用意したカブトムシやクワガタを虫かごに入れてもらい嬉しそうなお子さんの顔を見て、私も顔がほころんだ。
突然、小学生のお兄ちゃんが「見て、見て!あそこにセミが!ほら、動いた!」と桜の枝を指差した。そこには鳴いていない静かな「クマゼミ」がいた。
私は、セミを写真で撮った。お兄ちゃんはセミを上手に網で捕った。





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