グラウンド・ゴルフ
- 加藤 誓(ちかい)

- 2022年5月14日
- 読了時間: 3分

金曜日の昼に左肩に激痛が走った。夜間寝る事も出来ず、マッサージ機を 少しリクライニングの状態にし、座ったまま朝を待った。土曜日整形外科 に行った。レントゲン撮影で肩に石灰化が見られ、それが神経に触り炎症 を起こしているとのことで、ステロイドの注射をしてもらった。 その後、激痛は和らいだが鈍痛は引かず、座った状態では何とか我慢出来 るが、ベッドで横になった状態では痛みが走るため、ソファーの背もたれを 利用し少し肩を固定した状態で 4 日間、リビングで夜を過ごした。
22時からじっと朝を待つのは何んと長いことか。
ところで、土曜日、日曜日は、雨が降らなければ、小学校運動場で「グラウンド・ゴルフ同好会」 の練習がある。それを楽しみに、8時40分頃、20人ほどが集まってくる。
2年間以上続くコロナ禍で「人との交流、会話」が少なくなった中で、グラウンド・ゴルフの 存在は私にとって大きなものである。
「○○さん、今日見えないがどっか悪いのかな?」「お寺さん の用事だそうだ。」
「それなら安心した!」など、会員仲間の情報交換の場でもある。
「入った!」「あっ、出た!」とワイワイがやがや1時間30分程プレイを楽しむ。
運動量も 高齢者には丁度良い。スコア表にその日の成績を記入し、月間毎に集計をして
競い合うのである。 その集計業務を今年から私が担当することになった。
クリニックに行った土曜日と、次の日曜日はグラウンド・ゴルフを欠席したが、両日の
スコア表 は家に届けてもらった。
少し痛みが和らいだ水曜日、パソコンに入力しようとスコア表を取り出し た。いつもは、間違えないようにだけ注意し事務的に入力しているが、今回欠席したため、誰が 出席したかを知りたくじっと眺めてみた。

「凄いね!2つ目のホールインワン!」「え!また入った!」 嬉しくって仕方がない顔と、それを見て少し癪な顔。 打った後、ボールをコントールしようと身体をねじる人。 もう少し転がれと、足を蹴る人。上手く行くと静かだが、 ホールポストを通過したのか「わっ出た!」と飛び上がり 大騒ぎする人。
何が起こっても変わらず、無表情でプレイする人。 ホールポストの柱に何度もくっ付き「今日は、不運!」としょげる人。
ゲームが終わり、皆が帰って来る。
「今日はホールインワンが 2 個しかなかった!」と自慢げに指を二本出す。
「入らなかった。ダメだ!」「いくつだったの?」「36!」「え!さすがプロ!」
いつもより成績が悪かったのか、無口でボールとクラブを静かにしまっている人。
人、人、人・・・。
届けてもらったスコア表から、無口な声や色んな声が聞こえ、又、色んな動作が見えた。 土・日曜日のスコア表をパソコンに入力する作業が終わった。
まだ痛みのある左肩をさすりながら、集計表の空白の私の欄をじっと眺め
「早く治れ!」と祈った。



お若い方ほど痛みが強いとか。早くなおりますようにと私もお祈りしています。