内緒の話
- 加藤 誓(ちかい)

- 2021年6月10日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年6月18日

「電話も出来ないし、コロナ情報も Lineも見れなくなって困るわ」と
女房がスマホを持ってきた。

2週間前も同じトラブルで直したばかりである。
「どこか、触った?」「ドコモ触ってない。いつもの
通り」
前回は機内モード(通信電波を切るためのもの)をONにして不通になっ
ていた。
何か変わったことをしたかを聞いても無駄なので調べることにした。
今回は、スマホを落としたのかSIMカード(アンテナ)の接触異常であった。
ずっと以前のことであるが「洗濯機が壊れた。子供服の洗濯が出来ないので困る」の電話。取り急ぎ、家に帰って調べたらコンセントが抜けていた。
女房は故障した原因を探すより、「何々が出来ないので困る」と
私に言ってくる。

先日、お風呂の栓のボールチェーンが切れ、おまけにゴム栓とチェーンの処も切れた様で、チェーンとチェーンは糸でぐるぐる巻きにし、
ゴム栓の処は針金でチェーンと結んでいた。
また、竹で出来た敷物の竹が折れたのか、何箇所かをセロテープで
貼って修理してあった。
どちらも、何日も経つので仮の修理ではなさそうだ。
断っておくが、決して女房のあら捜しをしているのではない。
女房は毎日忙しいのである。恰好が悪くても、事が足りればそれでいいのだ。


風呂場の栓の修理はインターネットで下調べの後、切れたチェーンと栓を持ってホームセンターに行き「ゴム栓とチェーンを結ぶカップリングとチェーンを結ぶコネクター」の場所とサイズを店員さんに教えてもらい136円で直すことが出来た。
竹の敷物も、セメンダインで貼り直した。
私のこだわりというと格好良いが、暇なだけである。
女房にもこだわりがあり、手製のマスクは、紐の結び目が目立たない様に丁寧に糸で縫い、色々なスタイルのマスクを作ってくれた。
使ったマスクを指定の置き場所に置くと5分と経たない間に直ぐ洗う。洗濯とアイロンかけは、こまめと言うか好きである。
買ってきた食品は賞味期限を貼り直し、各種防災グッズや非常食、
飲料水の管理はこだわりと言うしかない位に神経質だ。
3月期末に、クローゼットの中に保管してある関係書類を整理した。
その時、同じ場所にある数個の衣装ケースに目がいった。
衣装ケースは通常、女房が管理していて、季節ごと出し入れをしてくれている。
暇でもあり、また桜も咲き気候も良くなったと思い、女房は「まだ早いよ」と言ったが、
衣替えの作業をした。
花冷えは、4月中旬まであり、女房の「ほら、寒いでしょう!」の嬉しそうな声に
やせ我慢をした。3週間、作業が早かったようだ。
「

餅屋は餅屋」というが、我家のふたりにもそれぞれ、別の得意の分野がある。
不得意分野も別々ある。このことを「男性と女性」にたとえて
有名人が話すと、得てして、「男尊女卑」と受け取られ、
世間を騒がすことになるようである。
有名人でない私には世間への影響はないが、
それよりも我が家の「山の神」が悪口と勘違いすることが、もっと怖いので、このエッセイは、どうか内緒にして欲しい。



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