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根性桜

更新日:2022年6月17日


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岐阜県の「桜の天然記念物」は「根尾の薄墨桜」や「飛騨の臥龍桜」が有名であるが、大野町に「揖斐二度桜」があると 

同町育ちの大学同期生が自慢していた。 前者の大きな古木の立派な桜ではなく、そこらにある桜に見えるが、この桜は「満開の花の中心からまた花が出てくる、珍しい桜」なのだそうだ。

先に咲いた花を突き破るように二度目の桜が咲くのである。

ただ、どの花でも起きる訳ではない。じーと探さないと見つからないのだそうだ。

同期生が根気よく観察し見つけた花の写真を送信してもらった。

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以前、同じような現象のバラを見たことがある。バラの花を貫いて葉や花が咲くのである。

調べてみた。「慣性花」と言うのだそうだ。ひまわりなどの花にもあるそうだが、

バラ科が多いとか。 桜は、バラ科である。

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話はコロッと変わる。

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お袋は、親父亡き後20年間、92歳まで中津川の実家で一人頑張っていたが、平成26年春、家の中で転び、1時間後ヘルパーさんが

発見し、救急車搬送。腰を打ち3か月間入院。その後同市の

リハビリ病院で3か月間歩行訓練。


脊椎損傷で回復が難しいのではと思い、私の近くの「グループホーム」に

27年正月に入所させることにした。

車椅子・ベッドの生活を想定していたが、リハビリ病院の皆様のお蔭と、お袋の頑張りで、何とか掴み歩きが出来るまで回復していた。

その後順調に回復し、少しおぼつかないが何とか普通に歩けるまでになった。

施設の皆様のお蔭で、食事も美味しく、笑顔で楽しい生活をおくっていた。

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28年初夏 ベッドから降りる時転倒。大事にはならなかったが、

暫く腕の痛みが続いた。

ベッド下にセンサーを付け真夜中のトイレ時も施設の方が

見守ってくれていたが転ぶのは一瞬でどうしょうもない。


平成30年夏、トイレに行く時転倒。今度は、右腕を骨折。

整形外科病院で手術をする。施設の方の介助もあるが

幸い左利きで治るまでの生活に大きな支障はなかった。

お袋の「害のない認知症」は 痛みを感ずるのも忘れ、

不安も忘れ、暫くすると骨折したことすら忘れてしまい、何事もなかったかの様に

また楽しい生活に戻っていく。

令和元年夏、施設行事の「花火大会」に私も一緒に参加した。

楽しい夢を見たのか、その夜ベッドの柵を乗り越え転倒。

今度は、大腿骨骨折。市内の病院で手術し成功。

しかし、その時血栓が脳に飛び半身不随となって帰ってきた。

その後、流動食も食べなくなり、覚悟をした。

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11月から1か月間、毎日プリンを食わせに施設に通った。

無理やり食わせた。

その甲斐あってか、食欲が出てきてゼリー食なら

OKとなった。

しかし片麻痺のため、何を言っているが分からない。

そのため訪問回数もだんだん減ってきた。

施設の方は毎日接しているので、何を言っているか分かるらしい。

顔半分の笑顔が愛らしいとも言ってくれている。


その後、新型コロナウイルスで施設の訪問もしづらくなり、知らせがないのは元気な証拠と

やせ我慢。ゼリー食だけの毎日がもう1年半も続く。

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令和3年4月3日 満百歳を迎えた。


二度咲き桜どころか、何度咲き桜か、花の中から花が咲く根性桜。

満開なお袋を見た。

 
 
 

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